手数料無料化で売買は増えたのか|「無料になったんだから回してもいい」をやめる。あなたの建玉なら、手数料は2020年12月からとっくに0円だったから

本記事は情報提供を目的とした個人の見解であり、投資の勧誘・助言ではありません。特定の証券会社・サービスを推奨するものでもありません。記載の制度・手数料・サービス仕様は執筆時点の公表資料に基づくもので、その後変更されている可能性があります。投資判断はご自身の責任でお願いします。

リード

前々回の前々回、手数料ゼロ時代の実効コストを調べたとき、私はこう書きました。

手数料ゼロで変わったのは、コストの有無ではなく置き場所である。明細に載る料金から、約定価格の中へ移った。

これは正しかったと思っています。ただ、書いたあとで気づいたことがあります。あの記事は「無料化してもコストは残る」という話でした。「無料化で何が変わったのか」という話は、していません。

世の中でよく語られている変化は、これです。

手数料が無料になった。取引コストが下がった。だから個人がもっと売買するようになった。

もっともらしく聞こえます。実際、日本の個人の売買シェアは上がっています。私自身、「どうせタダなんだから、もう1回くらい回してもいいだろう」と思ったことが何度もあります。

でも、前回やったのと同じ検査ができます。前回は「年末の節税売り」という説明について、その原因が制度上存在しなかった時期に、現象のほうは存在していたかを調べました。今回も同じです。

日本の株式売買委託手数料は、1999年10月に完全自由化されました。 以降ずっと下がり続けています。無料枠の拡大は2023年が初めてではありません。2017年、2019年、2020年、2023年——公表されているだけで4回あります。

もし手数料が個人の売買量を決めるなら、そのたびに同じことが起きていたはずです。

そして、この記事を書くために自分の建玉で計算して、いちばん驚いたのはここでした。

総資産300万円の兼業スイングの建玉なら、手数料は2020年12月7日からすでに0円だった。

2023年10月の「無料化」は、私のような投資家の往復コストを、1円も変えていなかったのです。


結論:無料化が動かしたのは金額ではなく、回数の言い訳だった

  • 日本の売買委託手数料は1999年10月に完全自由化され、平均委託手数料率は**1999年0.21% → 2004年0.19%**と下がった。以降も下がり続け、2023年の無料化は25年続いた坂の最後の一段にすぎない
  • 無料枠の拡大は4回公表されている。ある大手ネット証券の1日定額コースは、2017年9月1日から10万円まで0円/2019年12月23日から50万円まで0円/2020年12月7日から100万円まで0円、そして2023年10月2日約定分から全額0円
  • 記事033の資金逆算(総資産300万円・許容損失1%・損切り−8%)で出る建玉は375,000円。1日2約定でも75万円で、100万円の無料枠に収まる。つまりこの投資家の手数料は2020年12月7日からすでに0円で、2023年の無料化による削減額は0円
  • 時期の検査:手数料が下がり続けた10年間、個人の売買シェアは2009年21.5% → 2018年16.8%下がっている(二市場・総計ベース)。唯一大きく跳ねたのは2013年の28.0%=アベノミクス相場の年で、その年に手数料の制度変更はない
  • 大きさの検査:ある大手ネット証券が公表した無料化の逸失収益は年約380億円。その会社を通った個人の売買代金で割ると0.013%〜0.022%呼値の刻みが作る往復コストの下限0.1661%7〜13分の1しかない
  • 同社の国内株式委託手数料収入は138.4億円 → 16.0億円(−88.5%)。逸失収益380億円を1約定275円で割ると約1.38億約定分、口座数1,409万で割ると1口座あたり年10約定=約2,700円
  • ただし小口には効いた。1注文50万円以下の275円は、建玉37.5万円なら往復550円=0.1467%で、呼値の下限0.1661%とほぼ同じ桁。旧スタンダードプランを使っていた人の往復コストは0.3128% → 0.1661%=46.9%減
  • だから損益分岐がある。無料化後に取引回数が1.88倍を超えると、年間の取引コストは無料化前より大きくなる(1,173円 ÷ 623円 = 1.883)
  • 中身の検査:米国のゼロ手数料化を調べた研究(Jain et al. 2024)は、個人の資産がゼロ手数料ブローカーで+7%、手数料を取るブローカーで−9%移動であり、個人はmore orders and smaller orders(注文は増え、1件は小さくなった)、そして**orders become more uninformed(注文が情報を含まなくなった)**と報告している
  • 日本の2023年10月は自然実験にならない。無料化の3か月後に新NISAが始まり、2024年の東証プライム年間売買代金は1,254兆円で歴代最高、日経平均は史上最高値を更新した。候補が3つあって特定できない
  • しかも逆因果がある。証券会社が値下げするのは、取引が増えている(増えそうな)局面である。2023年8月末の発表は、33年ぶり高値と新NISA開始を目前にしたタイミングだった。値下げが取引を増やしたのか、取引が増えそうだから値下げしたのかを、この順序では区別できない
  • 測れる場所は1つだけ。市場全体は交絡だらけだが、自分の口座は測れるトレード記録から、2023年9月以前の12か月と以降の12か月で月あたりの約定回数を数えるだけでいい
  • 実務の持ち帰りは1つ。無料化は、回数を増やす理由にならない道具が変えるのは勝率ではなく判断を求められる回数——手数料も道具の一種だった

第1部:説明を、検査できる形に書き直す

まず、検査する対象を正確にします。よく語られている説明は、たいていこの形をしています。

手数料が無料になった → 取引コストが下がった → 個人がもっと売買するようになった

一続きの文に見えますが、中に3つの主張が入っています

#主張検査の仕方
1無料化によって取引コストが下がった消えた金額を測る。残っているコストと比べる
2コストが下がったから売買が増えた過去に同じことが起きた時期を探す
3増えたのは売買(取引)である増えたものの中身を見る

この3つは独立に検査できます。そして——先に言ってしまうと——1は部分的に正しく、2は時期が合わず、3は中身が違いました

なぜこの検査が順張りの話なのか

一見、手数料の話は相場の技術と関係がなさそうに見えます。でも手数料ゼロ時代の実効コストの回で、こういう式を作りました。

年間の手取り = 回数 ×(1回あたりの期待値 − 往復コスト)

この式で、手数料は往復コストの一部です。無料化はカッコの中身を大きくします。それ自体は良いことです。

問題は、カッコの外にある「回数」のほうが、無料化によって動きうることです。しかも回数は、往復コストと掛け算の関係にあります。カッコの中が半分になっても、回数が2倍になれば元に戻ります。

だからこの記事は、手数料の記事ではなく、回数の記事です。


第2部:時期の検査——手数料は25年間ずっと下がっていた

自由化は1999年10月

日本の株式売買委託手数料は、かつて各社同一の固定料金でした。内閣府の規制改革の事例集は、こう書いています。

1999年10月に法改正が行われ、売買委託手数料は完全に自由化されました。

自由化前は「一律に決められており、各社同一料金でした」。つまり、証券会社を変えても手数料は変わらなかった時代が、1999年9月まで続いていたわけです。

同じ資料に載っているグラフからは、平均の委託手数料率が1999年の0.21%から2004年の0.19%へ下がったことが読み取れます。同じ期間に取引高は617,144億円 → 1,451,359億円に増えています。

ここだけ見ると、「手数料が下がって取引が増えた」に見えます。ただし1999年から2004年というのは、ITバブルの崩壊とその後の回復をまるごと含む期間です。この2つを分離する材料を、私は持っていません。

無料枠の拡大は4回ある

もっと使いやすい材料があります。ネット証券の1日定額コースの無料枠です。各社が拡大のたびに告知を出しているので、日付が公表資料で確定できます

ある大手ネット証券の告知を並べると、こうなります。

適用内容
2017年9月1日約定分から1日の約定代金 10万円まで0円
2019年12月23日以降50万円まで0円
2020年12月7日取引分より100万円以下0円
2023年10月2日約定分から全額0円(別コースへの変更が必要。特定の注文の流し方の利用が必須)

もう1社(2023年9月30日発注分から無料化を実施したほう)も、ほぼ同じ水準・同じ時期に無料枠を広げていました。業界横並びで、段階的に、6年かけて進んだ変化です。

つまり、2023年10月は「無料化が始まった日」ではありません。「無料化が完成した日」です。

ここが本記事でいちばん驚いたところ

エントリー前チェックリストの回で使っている資金逆算を、もう一度出します。

  • 総資産300万円
  • 1トレードの許容損失は総資産の1%=30,000円
  • 損切りは−8%

このとき建玉は 30,000 ÷ 0.08 = 375,000円 です。このブログが想定している兼業スイングの、標準的な1回の建玉です。

この建玉で1日に2約定(買いと売り、あるいは2銘柄の買い)しても、約定代金は 750,000円100万円の無料枠に収まります。

2020年12月7日以降、この投資家の売買手数料は0円でした。

2023年10月の無料化がこの人にもたらした削減額は、0円です。

これは私にとって、かなり気まずい発見でした。私は無料化のニュースを見て「コストが下がった」と感じていました。でも自分の建玉と回数で計算すると、私のコストは3年前から変わっていなかったのです。感じていたのは、コストの変化ではなく、ニュースの変化でした。

では、個人の売買シェアはどう動いたか

手数料が下がり続けていた期間に、個人の売買シェアがどう動いたかを見ます。二市場(東証・名証)の投資部門別売買代金のシェアです。

証券会社の自己法人等個人海外投資家
200926.513.021.539.0
201024.211.017.647.2
201119.010.117.753.2
201217.910.118.054.0
201312.58.628.050.8
201413.08.223.355.5
201513.87.820.058.4
201615.27.817.459.6
201715.57.718.558.3
201815.46.716.859.9

(単位:%。4部門の合計が100になる総計ベースの表です)

10年間で 21.5% → 16.8%。下がっています。

この10年、手数料は一貫して下がり続けていました。もし手数料が個人の売買量を決めるなら、この線は上がり続けなければおかしい

そして、唯一大きく跳ねているのが2013年の28.0%です。前年の18.0%から10ポイント。何があったかというと、アベノミクス相場です。日経平均が1年で大きく上昇した年で、この年に、本記事で追っている無料枠の拡大は起きていません(自由化はその14年前、次の拡大は4年後です)。

翌2014年には23.3%、2015年20.0%、2016年17.4%と、相場の熱が引くにつれて戻っています。

個人シェアを動かしていたのは手数料ではなく、相場でした。

日本の株式売買委託手数料の年表と個人の売買シェア。1999年10月に売買委託手数料が完全自由化され、以降は下げ競争が続いた。1日定額コースの無料枠は2017年9月に10万円、2019年12月に50万円、2020年12月に100万円へ拡大し、2023年10月に条件つきで全額0円になり、2026年5月には別の会社も無料化した。総資産300万円の兼業投資家の建玉37万5千円は1日2約定でも75万円で、2020年12月の時点ですでに手数料0円だった。下段は個人の株式売買代金シェア(二市場・総計ベース)で、手数料が下がり続けた2009年から2018年の間に21.5%から16.8%へ低下しており、唯一大きく跳ねた2013年の28.0%はアベノミクス相場の年で制度変更はない

注意:この表と最近の数字は直接つなげられない

念のため、自分でブレーキを踏んでおきます。

取引所の資料には、**「自己・委託の比率は総計に対する構成比、各部門別の比率は委託計に対する構成比である」**と明記されています。つまり本来、個人のシェアは「委託計」を分母にするのが取引所の定義です。

上の表は自己を含めた4部門で100になっているので、総計ベースです。あとで出てくる「2024年の個人の現物売買シェア24.2%」は、おそらく委託ベースです。分母が違うので、引き算してはいけません。

だからこの表は、2009年から2018年までの「形」——手数料が下がっているのに個人シェアは上下していた、という形——にだけ使います。2024年の数字とは並べません。


第3部:大きさの検査——消えたのは、呼値の7〜13分の1

時期が合わないことは分かりました。次は大きさです。前回の前回でやったのと同じで、その説明は、いま起きていることの大きさを作れるのかを先に測ります。

消えた金額を、公表資料から取る

ありがたいことに、無料化した側が金額を公表しています。ある大手ネット証券の親会社の決算説明会資料には、こうあります。

  • 国内株式委託手数料収入:2024年3月期 13,840百万円 → 2025年3月期 1,596百万円
  • 今回の無料化による約380億円の逸失収益を試算(同社試算)

138.4億円 → 16.0億円。−88.5%です。 しかも2024年3月期は無料化(2023年9月30日)を半年分しか含んでいないので、通年ベースの落差はもっと大きい。

380億円というのは、大きな金額です。ただ、これを何で割るかで意味がまったく変わります。

380億円を売買代金で割る

同じ資料に、この会社の個人の株式委託売買代金シェアは2025年3月期で56.2%(前期50.2%)とあります。個人の売買のうち、半分以上がこの1社を通っているということです。

一方、市場側の数字はこうです。

  • 2024年の東証プライム市場(内国普通株)の年間売買代金は1,254兆2,334億円(歴代最高)
  • 2024年の個人の売買シェアは現物で24.2%

これを組み合わせます。ただし、投資部門別売買状況は売りと買いの両方を足して集計するので、片側でカウントされた「売買代金」に直接シェアを掛けると分母が小さくなります。そこで2通り計算しました。

数え方この会社を通った個人の売買代金380億円 ÷ それ呼値の下限0.1661%との比
A(保守的)170.6兆円0.0223%7.5分の1
B(売買2倍・委託85%)290.0兆円0.0131%12.7分の1

どちらの数え方でも、消えた手数料は売買代金の0.013%〜0.022%です。

呼値の刻みが作る往復コストの下限——株価3,010円・呼値5円なら0.1661%——の、7分の1から13分の1しかありません。

しかも分子の380億円は信用取引を含む会社全体の試算値で、分母は現物のシェアから作っています。分子が過大側なので、実際の比率はさらに小さい可能性が高い。

380億円を、口座の数で割る

もうひとつ、桁の感覚をつかむ割り方をしてみます。

380億円を、1約定275円(旧スタンダードプランの50万円まで)で割ると、約1.38億約定分です。この会社の口座数は1,409万口座(2025年3月末)。

1口座あたり、年10約定分。金額にして約2,700円。

もちろん全約定が275円だったわけではありません(1日定額コースなら0円、大口なら1,013円)。あくまで桁の目安です。それでも、「無料化で浮いたお金」は、平均的な口座で見れば年に数千円のオーダーだということは言えます。

ただし、小口には効いた

ここで自分の主張にブレーキをかけます。平均で見ると小さくても、小口の1回には効いていました。

旧スタンダードプランは、1注文50万円までが275円です。建玉375,000円なら往復550円。売買代金に対して 550 ÷ 375,000 = 0.1467% です。

呼値の下限0.1661%と、ほぼ同じ桁です。

だから、1日定額コースではなく1注文ごとのプランを使っていた人にとって、無料化のインパクトは小さくありませんでした。

項目金額対建玉
呼値の往復コスト623円0.1661%
旧手数料の往復(275円×2)550円0.1467%
無料化前の往復合計1,173円0.3128%
無料化後の往復合計623円0.1661%
削減率46.9%減

往復コストは、およそ半分になりました。 これは実際の利益です。

でも「半分」であって「ゼロ」ではありません。そしてここから、この記事でいちばん実務的な数字が出ます。

損益分岐は1.88倍

年24回転していた人を考えます。

  • 無料化前:1,173円 × 24回 = 28,149円
  • 無料化後:623円 × 24回 = 14,949円

年13,200円の節約です。ここまでは良い話です。

では、無料になったからといって回数が増えたらどうなるか。

回数の倍率無料化前(年24回)無料化後
1.0倍(年24回)28,149円14,949円−13,200円
1.5倍(年36回)28,149円22,424円−5,726円
1.88倍(年45回)28,149円28,104円±0
2.0倍(年48回)28,149円29,898円+1,749円
3.0倍(年72回)28,149円44,847円+16,698円

1,173 ÷ 623 = 1.883。

取引回数が1.88倍を超えた瞬間、無料化前より多くのコストを払っています。

建玉37万5千円の年間往復コストを取引回数の関数として比較した図。無料化前は1回あたり1,173円(呼値623円+手数料550円)、無料化後は623円(呼値だけ)で、年24回転なら28,149円が14,949円に下がる。しかし無料化後に回数が年45回=1.88倍を超えると年間コストは28,149円を上回り、無料化前より多く払うことになる。ただし1日100万円まで0円の定額コースを使っていた人は無料化前も手数料0円なので、この損益分岐は存在しない

「1.88倍」は、そんなに大きな数字ではありません。週に1回だった売買が週2回になれば超えます。1銘柄だった同時保有を2銘柄にして、それぞれ同じ頻度で回せば超えます。無料になった実感が、これくらいの行動変化を生むのは、まったく不自然ではありません。

無料化の条件を、もう一度読む

手数料ゼロ時代の実効コストの回で書いたことを、条件の文面で確認しておきます。

  • 一方の会社:「取引報告書や取引残高報告書などの各種交付書面を『電子交付』に設定することが条件」
  • もう一方の会社:「〔当該コース〕では、〔当社〕のSOR/Rクロスを利用頂くことが必須となります」(社名・コース名は伏せました)——そして同じ告知の注意事項に**「手数料とは別にスプレッドがあります」**

2026年5月から無料化を実施した別の会社も、条件は**「SOR(スマート・オーダー・ルーティング)注文を選択された場合」**です。

つまり無料化はいまも進行中で、条件はやはり注文の流し方です。違法でも不当でもありません。ただ、明細に載る料金がゼロになった代わりに、注文をどこへ流すかの選択権を渡している——という構造は変わっていません。

米国の実証は、まだ決着していない

正直に書いておきます。「無料化で本当にコストが下がったのか」については、研究の結論が食い違っています

  • 前々回の前々回で引いた研究(Schwarz et al. 2025)は、5社6口座に同時刻・同一注文を85,000件超出して、**往復コストが −0.07%〜−0.46%(差39bp)**だったと報告しました。どこに出すかで大きく違うという結果です
  • 一方、Adams, Kasten & Kelley (2024, Journal of Banking & Finance 165) は、2019年10月の米国のゼロ手数料化について、PFOF(オーダーフロー支払い)にはほぼ変化がなく、競争環境の中でブローカーが手数料廃止のコストを吸収したとし、手数料変更前後の執行コストの変化は経済的に些細、そして集計した個人ポートフォリオの総取引コストはゼロ手数料化後に大幅に低下したと結論しています

後者は、私の主張に不利な材料です。 「コストは形を変えて残った」ではなく「コストは本当に下がった」と言っている。だから第8部でもう一度取り上げます。

ここで言えるのは、「無料になったのは手数料であって、コストではない」までは確実で、「では実効コストは下がったのか」は研究者どうしでも割れている、ということだけです。


第4部:中身の検査——増えたのは「取引」ではなく「注文」

3つ目の主張、**「増えたのは売買である」**を検査します。

日本には使える自然実験がない(第5部で説明します)ので、米国の研究を使います。

Jain, Mishra, O’Donoghue & Zhao (2024), “Trading volume shares and market quality: Pre- and post- zero commissions”, Journal of Empirical Finance, vol. 79.

要旨から、3つだけ取り出します。

① 資産は「増えた」のではなく「移った」

Retail investors assets held by zero-commission and commission-charging brokers increase 7 % and decrease 9 %, respectively.

ゼロ手数料ブローカーが預かる個人の資産は+7%、手数料を取るブローカーは−9%。

これは移動です。新しいお金が市場に入ってきたのではなく、同じお金が別の会社に移った

日本にも同じ形の数字があります。第3部で使った決算資料の、**個人の株式委託売買代金シェアが50.2% → 56.2%という数字です。これは「市場に占める個人の割合」ではなく、「個人の売買のうち、その会社を通った割合」**です。

無料化した会社のシェアが上がった——これは確実に起きています。でもそれは、個人全体の売買が増えたことを意味しません。

② 注文は増えた。ただし1件は小さくなった

Retail investors earn less price improvement per share and submit more orders and smaller orders.

注文は増え、1件あたりは小さくなった。

これは重要な区別です。「取引が増えた」と「注文の回数が増えた」は、別のことです。1回100万円の売買を1回するのと、10万円の売買を10回するのとでは、売買代金は同じでも——

  • 呼値のスプレッドは10回分払う
  • 判断は10回分必要になる
  • 記録10行になる

回数だけが増えたなら、増えたのはコストと判断の機会であって、リターンの機会ではありません。

そして手数料は、まさに回数に課金されるコストでした。1注文275円は、金額に関係なく1回につき275円です。回数を抑える方向に働く摩擦だったわけです。それが消えた。

③ 注文の中身が変わった

Intraday volatility increases and price impact falls, as orders become more uninformed, while realized spreads remain unchanged.

注文が情報を含まなくなった。

price impact(1つの注文が価格を動かす力)が落ちたというのは、その注文が「何かを知っている人の注文」らしさを失ったということです。市場は、情報を持っている注文には価格を動かして反応し、そうでない注文には反応しません。

これは新高値銘柄の探し方の回で扱った話と、まっすぐつながります。あの記事の結論は、「毎晩ランキングを眺める習慣は、順張りではなく注意ベース買いの自動化である」でした。そして注意には方向がない

手数料は、注意で買うことへの課金でもありました。「気になったから、とりあえず打診で少し買っておこう」に275円かかっていた。その275円が、その買いを止めていたことが、たしかにあったはずです。

無料化が取り除いたのは、コストであると同時に、摩擦でもありました。

摩擦がすべて悪いわけではありません。道具一式の回で引いた実験(Gneezy & Potters 1997)が示していたのは、手を縛る道具のほうが良い道具でありうるということでした。


第5部:日本の2023年10月は、自然実験にならない

ここまで米国の研究を使ってきました。「では日本ではどうだったのか」を確かめたいところですが、日本の2023年10月は、検証に使えません。 理由を3つ書きます。

① 3か月後に新NISAが始まった

無料化は2023年9月30日/10月2日。新NISAの開始は2024年1月です。

その規模は小さくありません。ある調査によれば、新NISAによる上場株式の買付額は2024年1〜9月で4兆5,774億円、2023年の同期間は1兆3,251億円でした。約3.5倍です。

無料化の効果と新NISAの効果を、3か月しか離れていない2つのイベントから分離する方法を、私は持っていません。

② 同じ時期に相場が歴代最高になった

2024年の東証プライム市場(内国普通株)の年間売買代金は1,254兆2,334億円で、歴代最高でした。日経平均は史上最高値を更新しています。

第2部で見たとおり、個人シェアを大きく動かす要因として実績があるのは相場のほうです。2013年に個人シェアが10ポイント跳ねたのは、手数料ではなくアベノミクス相場でした。2024年に同じことが起きていない、と考える理由がありません。

③ そもそもシェアが上がっても「買いが増えた」ことにならない

2024年の個人の売買シェアは**現物で24.2%**でした。上がっています。

ところが同じ2024年、個人は現物株で2兆138億円の売り越しで、これは2年連続です。

シェアは上がり、売り越しているのです。 これは「個人がたくさん買った」のではなく、「個人が売りも買いも多くした」——つまり回転が増えたということです。第4部の「more orders」と同じ形です。

さらに、ある資産運用会社のレポートは2025年の個人について、下落局面で買い越し、上昇局面で売り越すという逆張り傾向を指摘しています。順張りとは逆の動きです。

シェアが上がったことは、私たちのやり方をしている人が増えたことを意味しません。

そして、逆因果がある

ここがいちばん厄介なところです。手数料の引き下げは、外から降ってくるイベントではありません。

証券会社が値下げするのは、取引が増えている、あるいは増えそうな局面です。競争が激しくなるのは、取りに行く客がいるときだからです。

無料化の発表は2023年8月末でした。当時、日経平均は33年ぶりの高値圏にあり、新NISAの開始が4か月後に迫っていました

つまり、時系列で見れば「値下げ → 取引増」の順に並びますが、因果は逆かもしれません。「取引が増えそうだ → だから値下げして客を取りに行った」。

この順序では、どちらが原因かを区別できません。

第2部で並べた4回の無料枠拡大も、同じ疑いがかかります。2020年12月の100万円への拡大は、コロナ相場で個人の売買が急増していた最中です。


第6部:測れる場所は1つだけ——自分の記録

市場全体では、交絡だらけで測れません。でも、測れる場所がひとつだけあります。自分の口座です。

そこには新NISAの影響も、海外投資家のシェアも、逆因果もありません。あるのは、自分が何回発注したかという事実だけです。

検査の手順(15分)

トレード記録の回で作った記録を使います。記録をつけていない人は、証券会社の取引履歴でもできます。

  1. 2022年10月〜2023年9月(無料化前の12か月)の約定回数を数える
  2. 2023年10月〜2024年9月(無料化後の12か月)の約定回数を数える
  3. 2を1で割る

この比率が1.88を超えていたら、あなたの年間取引コストは、無料化前より増えています。

金額ではなく回数を数えるのがポイントです。金額は相場によって変わりますが、回数はあなたの判断の回数です。

なぜ回数なのか

もう一度、式を出します。

年間の手取り = 回数 ×(1回あたりの期待値 − 往復コスト)

無料化が動かしたのは、カッコの中の往復コストです。建玉37.5万円なら0.3128% → 0.1661%

これが意味するのは、「回すほど負ける」の閾値が動いたということだけです。

1回あたり期待値がこれを超えないと、回すほど負ける
無料化前0.3128%
無料化後0.1661%

符号は変わっていません。 期待値がマイナスのタグ(自分の負けパターン)は、無料化前も後も、回せば回すほど負けます。無料化は、負けるスピードを少し遅くしただけです。

そして手数料ゼロ時代の実効コストの回で書いたとおり、コストは確定値で、期待値は推定値です。σ=6%・N=30なら期待値の標準誤差は±1.10%(95%区間で4.29ポイント幅)。0.1466ポイントの閾値の差は、期待値の推定誤差のなかに完全に埋まっています。

だから実務では、閾値の側ではなく回数の側から手をつける。これは045と同じ結論です。

記録のとり方が変わる

ひとつ、無料化によって悪くなったことがあります。

手数料がゼロだと、明細にコストが何も載りません。

以前は取引報告書に275円と書いてありました。それを見れば「コストを払った」と分かった。いまは何も書いていない。コストは約定価格の中にしかありません。

だから045で書いたルールが、無料化後はさらに重要になります。

記録の買値は、指値ではなく約定価格を書く。

これをやらないと、タグ別の期待値の符号を間違えます。045の例では、+0.45%だと思っていたタグが、実質+0.117%でした。手数料ゼロの時代は、この差を教えてくれる紙が1枚もないのです。


第7部:実装——4つだけ

1. 無料化を、回数の理由にしない

いちばん大事なのはこれです。「タダなんだから、もう1回」は、1.88倍ルールの1回です。

道具一式の回で出した結論を、そのまま持ってこられます。道具が変えるのは勝率ではなく、判断を求められる回数。手数料も道具の一種でした。

2. 年に1回、約定回数を数える

第6部の手順です。15分で終わります。

回数が増えていたら、増えた分がどのタグから来ているかを見ます。だいたい、入る予定がなかった銘柄から来ています。

3. 記録の買値は約定価格を書く

無料化後は、コストが明細に載りません。約定価格を書かない限り、自分が払っているコストを一生知りません。

4. 無料化の条件を1回だけ確認する

自分の口座の無料化が、何と引き換えになっているかを1回だけ読んでおきます。電子交付の設定なのか、SOR注文の利用が必須なのか。

推奨も非推奨もしません。ただ、知らずに渡しているものがあるかどうかは、知っておいたほうがいい。これは道具一式の回の「確認する質問」に1行足すだけの作業です。


第8部:自分に不利な材料

この記事の主張に反する材料を、自分から並べます。

  1. 総取引コストは、実際に下がったという研究があります。 Adams, Kasten & Kelley (2024) は、ゼロ手数料化後に集計した個人ポートフォリオの総取引コストが大幅に低下したと結論しています。私が第3部で「無料になったのは手数料であってコストではない」と書いたのは、この論文とは食い違います。

  2. 個人の売買シェアは、実際に上がっています。 2024年の現物24.2%は、第2部の表の2016-2018年(総計ベースとはいえ16〜18%台)より明らかに高い水準です。「増えていない」と私は一度も書いていません。 書いたのは「原因を手数料と特定できない」だけです。

  3. 小口・高頻度の人には、はっきり効きました。 1注文ごとのプランで、1日100万円を超える売買をしていた人には、無料化で年に数万円単位の削減が出ています。「あなたには関係なかった」は、建玉37.5万円・1日2約定までの人の話です。

  4. 単元未満株の無料化は、性質が違います。 数千円〜数万円の買付に対して数十円〜数百円の手数料は、**率で見ると数%**でした。ここが無料になったのは、比率としては大きな変化です。本記事の計算はすべて建玉37.5万円で、この層をカバーしていません。

  5. 米国の研究を日本にそのまま当てはめられません。 米国のゼロ手数料化はPFOF(オーダーフロー支払い)という制度が背景にあり、日本の市場構造とは違います。Jain et al. の「注文が uninformed になった」も、日本で同じことが起きた証拠を私は持っていません。

  6. 380億円が「個人が浮かせた金額」と等しいとは限りません。 無料化を前提に取引が増えていれば、会社の逸失収益と個人の節約額は一致しません。第3部の計算は、この2つを同じものとして扱っています。

  7. 2009-2018年の個人シェア低下は、分母側の話かもしれません。 あの期間に海外投資家のシェアが39.0% → 59.9%に上がっています。個人の絶対額が減ったのではなく、海外勢が増えただけかもしれない。私は絶対額を確認していません。

  8. 「1.88倍」は、旧スタンダードプランを使っていた人の数字です。 1日定額コースで0円だった人にとって、無料化前後で往復コストは変わっていないので、この損益分岐は存在しません(第2部のとおり、そちらのほうが本ブログの読者に近い)。

  9. 摩擦が減ったことは、良いことでもあります。 手数料が高かった時代には、損切りをためらう理由にもなっていました。「いま売ると往復1,100円かかる」は、塩漬けを正当化する材料になりえます。無料化はその言い訳を1つ消しました。

  10. 私は自分の記録で検証していません。 第6部で提案した検査を、この記事を書いた時点で私自身が実行していません。提案しているだけです。


留保

  1. 本記事の数値のうち、往復コスト・損益分岐の回数倍率・市場規模の検算・1口座あたりの逸失額は、すべて筆者がPythonで計算したものです。前提(建玉375,000円、往復スプレッド0.1661%、旧手数料275円、委託比率85%)は本文に明記しましたが、いずれも仮定または特定の条件下の値です。
  2. 1999年の平均委託手数料率0.21%・2004年0.19%、および取引高の数値は、公表資料のグラフからの読み取り値です。対象・定義が資料本文に明示されていません。
  3. 無料化の開始日について、報道は「10月1日から」、当該会社の告知は「10月2日約定分から」と食い違います。本文では自社告知の日付を採用しました。
  4. 旧手数料の金額表(スタンダードプラン・アクティブプラン)は二次情報です。各社公式の旧手数料ページは無料化後に削除・改訂されており、執筆時点で一次資料を確認できませんでした。ただし1日定額コースの無料枠の水準・時期は、当該会社の公表告知と整合しています。
  5. 第2部の2009-2018年のシェア表は総計ベース(自己を含む4部門で100)で、取引所が定義する部門別シェア(分母は委託計)とは分母が違います。2024年の24.2%と引き算してはいけません。 本文でも「形」にだけ使いました。
  6. Jain et al. (2024) および Adams et al. (2024) は、要旨のみを参照しており、本文は未読です(掲載サイトが robots.txt により取得できませんでした)。訳と要約は筆者によるもので、解釈の誤りがありうることをお断りします。
  7. 記事047・050では往復コストを「573円」としています。あちらは買い戻し金額345,000円を分母にした数値で、本記事は建玉375,000円を分母にしているため623円になります。同じ0.1661%を別の元本に掛けているだけです。
  8. 第3部の市場規模の検算で使った「委託比率85%」は、第2部の表の自己比率(2016-2018年で15%台)からの筆者の仮定です。2024年の実際の比率は確認していません。また分子の380億円は信用取引を含む会社全体の試算値で、分母は現物のシェアから作っています。分子が過大側なので、実際の比率はさらに小さい可能性があります。
  9. 日本の個人売買シェアについて、2019年から2025年までの一貫した年次系列を、私は入手できませんでした(取引所の年次データが実行環境のネットワーク制限で取得できず、二次情報も分母の定義が揃いませんでした)。記事039・049と同じデータ制約です。
  10. 本記事は特定の証券会社を推奨・非推奨するものではありません。社名を本文から外しているのは、サービス仕様が変わりやすく、記事が古びるのを避けるためです(記事043以降の方針)。
  11. 過去の売買動向は、将来の売買動向を保証しません。この記事の結論は「無料化は悪い」でも「使うな」でもなく、**「無料化を回数の理由にするな」**です。

まとめ

  • 「手数料無料化で個人の売買が増えた」という説明には、検査できる主張が3つ入っている=①コストが下がった ②だから売買が増えた ③増えたのは売買である
  • 時期が合わない。日本の委託手数料は1999年10月に完全自由化され、無料枠の拡大は2017年・2019年・2020年・2023年の4回。手数料が下がり続けた2009-2018年に、個人シェアは21.5% → 16.8%と下がっている。跳ねたのは2013年(28.0%)=アベノミクス相場で、その年に制度変更はない
  • そして、あなたの建玉なら手数料はとっくに0円だった。総資産300万円・許容損失1%・損切り−8%の建玉375,000円は、1日2約定でも75万円で100万円の無料枠の中2020年12月7日から0円で、2023年の無料化による削減額は0円
  • 大きさが小さい。無料化の逸失収益約380億円は、その会社を通った個人の売買代金の0.013%〜0.022%呼値が作る往復コストの下限0.1661%7〜13分の1。口座数で割ると1口座あたり年約2,700円
  • ただし小口の1回には効いた。1注文275円は建玉37.5万円で往復0.1467%=呼値と同じ桁。往復コストは0.3128% → 0.1661%(46.9%減)
  • だから損益分岐がある取引回数が1.88倍を超えると、無料化前より多く払う。週1回が週2回になれば超える
  • 中身が違う。米国の研究は、資産が**+7%/−9%で移動したこと、個人がmore orders and smaller ordersを出すようになったこと、そしてorders become more uninformed**——注文が情報を含まなくなったこと——を報告している。増えたのは回数であって、リターンの機会ではない
  • 日本の2023年10月は自然実験にならない3か月後に新NISA(上場株式の買付が前年同期の約3.5倍)、同じ年に売買代金が歴代最高の1,254兆円。しかも逆因果がある=証券会社は取引が増えそうな局面で値下げする
  • 測れるのは自分の口座だけ。無料化前後の12か月で、約定回数を数えて割る。1.88を超えていたら増えている
  • 無料化が動かしたのは閾値であって符号ではない。期待値がマイナスのタグは、無料でも回すほど負ける
  • 実務の持ち帰りは1つ。無料化は、回数を増やす理由にならない

前回は「説明に使われている原因が存在しなかった時期に、現象は存在したか」を調べました。今回は同じ質問を、もう少し意地悪な形で投げただけです。

その原因が働いていたはずの時期に、現象は起きていなかったのではないか。

手数料は25年間ずっと下がり続けていました。そのあいだ、個人のシェアは相場に合わせて上下していただけでした。2023年だけが特別だったと考える理由は、いまのところ見つかっていません。

そして、この記事を書いていていちばん気まずかったのは、第2部の計算です。

私の手数料は、2020年12月から0円でした。 それなのに私は、2023年10月のニュースを見て「コストが下がった」と感じ、「もう1回くらい回してもいいだろう」と思っていました。

動いたのは私のコストではなく、私の言い訳のほうでした。

次の一歩

次に読む:手数料ゼロ時代の実効コスト(記事045)/配当落ちは「呼値の刻み」で説明できるのか(記事049)/1月は上がりやすいのか(記事050)/モメチンに必要な道具一式(記事043

あわせて:トレード記録のつけ方(記事037)/新高値銘柄の探し方(記事042)/NISAで順張り(モメチン)はできるのか(記事044)/年末の損出しと損益通算(記事047)/エントリー前チェックリスト10項目(記事033)/損切りラインの決め方(記事011)/ポジションサイジング入門(記事014)/期待値とトータルで勝つ考え方(記事024)/メンタルを崩さない仕組み(記事040)/塩漬け株の作り方と抜け出し方(記事023


免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・金融機関・サービスの取得、売却、保有、利用を推奨・勧誘するものではありません。また、投資助言を行うものでもありません。記載の手数料、サービス仕様、取引所の売買制度、各社の公表数値は執筆時点の公表資料に基づくものであり、その後変更されている可能性があります。実際の手数料および取引条件は、必ず各社の最新の公表資料をご確認ください。本記事の内容は筆者個人の見解に基づくものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。記載の計算例はすべて架空の前提に基づくものであり、将来の値動きや取引コストを予測するものではありません。 引用した研究の数値は、公表された要旨に基づくもので、解釈の誤りがありうることをお断りします。投資には元本割れを含むリスクがあります。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の情報を利用して生じたいかなる損害についても、筆者は責任を負いません。過去の実績や調査結果は、将来の成果を保証するものではありません。


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